我々の理念

ETHTokyoが存在するのは、東京がEthereumの抱える矛盾を、急いで単純化することなく、そのまま引き受けることのできる数少ない場所のひとつだからである。

Ethereumは、いくつもの相反する力の上に成り立っている。サイファーパンク的な主権を掲げながら、制度的な正統性も求められている。公共財でありながら、私的な野心と資本を引き寄せている。金融のインフラでありながら、アート、ゲーム、コミュニティ、実験的な組織の土壌でもある。世界中に開かれたプロトコルでありながら、サブカル的な文脈とそれを共有する人間同士の相互関係の上に根づいている。

東京もまた、同じ種類の矛盾を抱える都市である。極端に近代的でありながら、古い作法と記憶が失われていない。巨大な資本と制度の中心でありながら、路地裏では前衛的な文化や実験的な生活が様々展開されている。効率と秩序の街でありながら、過剰で、個人的で、奇妙な表現が生まれ続ける場所でもある。

だからこそ、東京はEthereumを単なる技術、単なる金融、単なるコミュニティとしてではなく、それらが同時に存在する複雑な現実として受け止めることができると我々は考える。

プロトコルと文化。金融とアート。公共財と私的な野心。サイファーパンク的な主権と制度的な正統性。技術的な加速と、持続的な継続性。

我々が立っているこの場所は、そうした矛盾の狭間にある。

ETHTokyoは、ハッカソン、カンファレンス、ミートアップ、ワークショップといったような開催形式によって定義されるものではない。形式は変わる。しかし、我々が存在する理由は変わらない。もっと自由で、便利で、ワクワクできる未来をつくる人々を繋ぐために我々はここにいる。

Ethereumは、既にこの10年間一度も停止し続けず稼働しており、機能面に関しても既に重要な閾値を越えている。もはや問うべきは、Ethereumが存在し得るかどうかではない。

問うべきは、これがどのような世界を可能にするのかである。

ETHTokyoは、その問いを掲げるために存在する。

我々の問い

ETHTokyoは、単一の形式、会場、ハッカソンによって定義されるものではなく、東京のサイファーパンクのためのコーディネーションレイヤーである。

東京から見た、信頼でき、開かれ、プログラム可能な社会とはどのようなものであるべきか。

なぜ今なのか?

Ethereumはもはや単なる投機的フロンティアではない。アカウント抽象化、安価なデータストレージ、プライバシー研究、ハードウェア検証、エージェント実行等が新しい設計空間へと収束しつつある、成熟したプロトコルスタックである。

問いは、Ethereumが技術的に存在できるかどうかではなく、それがどのような現実世界の秩序を可能にするのかである。

我々の原則

  1. No Permissions Asked - 誰もが、制度的な許可を求めることなく、構築し、フォークし、参加し、貢献し、退出し、創造できる必要がある。
  2. Commons over Capture - 技術に意味があるのは、個別のサイクルを超えて残るインフラ、知識、規範、コモンズを支えることができるとき。
  3. Intent over Interface - 技術は、ウォレットUX、ダッシュボード、手動のトランザクション操作等ではなく、人間の主体性を拡張するべき。
  4. Don't Trust, Verify - 自己参照的なトークンゲームから抜け出さなければならない。真に実用的なシステムは、コード、資産、計算、制度的インフラのいずれに関する主張であっても、検証可能である必要がある。物理的な現実こそが我々の基盤である。
  5. Privacy by Default - プライバシーはニッチな機能でも犯罪の疑いでもない。自由、安全、実験、尊厳の前提条件である。
  6. We are Plural - 分散化の強さは、多くのクライアント、L2、アプリ、文化、チーム、シーンから生まれる。ひとつの公式な道は存在しない。
  7. Glocal Connection - ETHTokyoは、世界中のサイファーパンクを、東京の実際の文化、制度、現実の生活へと接続することを目指す。

我々が担う役割

ETHTokyoは、人を集め、見極め、つなぎ、コーディネートする。私たちの目的は、Ethereumのエッジにある思想や実験を、無害な「安全性」へと丸め込むことではない。むしろ、その鋭さが孤立し、誤解され、あるいは使われないまま失われてしまわないように、必要な文脈と接続を与えることにある。

ETHTokyoは、その場を調整するための装置である。

終わりに

東京は常に矛盾の都市だ。現代的でありながら伝統的で、秩序の中に混沌があり、規律が強いようで遊び心もある。その矛盾は、豊かな人間の生にとって本質的なものである。ETHTokyoは、その矛盾をEthereumにとって生産的なものにするために存在する。

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